篠田理髪店に篠田はひとりもいない。

現在、店を切り盛りするのは、二代目の安田である。
もともと安田はこの店の客だった。
髭剃りの泡をタムタムとまぜてみたいと心の中で思ったことはあったが、
自分が店を継ぐことになるとは、夢にも思っていなかった。

篠田理髪店という屋号は、初代の清水がつけた。
独立して店を出すときにまとまったお金が必要で、金策に苦労していた清水は、学生時代の友人である篠田を訪ねた。お金持ちの一人息子である篠田は、親のコネで大手証券会社に務めていて羽振りがよかったからだ。

借金の申し出に、篠田はふたつの条件を出した。
ひとつは、自分の散髪代を一生タダにすること。
もうひとつは、屋号に自分の名前を入れること。

清水は、屋号にこだわるような男ではなかったのでその条件を受け入れた。
カット篠田であろうと、バーバーSHINODAであろうとなんでもよかったのだ。
そのようにして、篠田理髪店はできた。

清水は今年72歳になるが、古くからの常連客だけはいまだに切っている。
ボケ防止みたいなものだと本人は言うが、安田はもう引退してほしいと思っている。

Comment
唐突ながら、朋子ちゃんのお兄様ですか?
最近、飛行機内で映画を見たら、ふと脚本家に朋子ちゃんと同じ生い立ちのプロフィールがあったので、まさかと思って検索してここにたどり着きました。人違いでしたら、すみません。よろしかったら、email にご連絡ください。
  • Hanano
  • 2011/06/16 15:47
そりっどですね。非常にそりっどです。
  • sss
  • 2011/08/01 17:51





   
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